2025.05.26

ビッグショットで勝利を呼び込んだ琉球の荒川颯…GAME3へは「去年足りなかったあと1勝を」

値千金の3ポイントを決めた琉球の荒川颯 [写真]=B.LEAGUE
フリーライター

「昨日の反省点として僕自身、チャンスを待ってしまったというところがあったので、今日は強気でつかみ取りに行くという姿勢を最初から最後まで貫き通せるように気持ちを準備していました」

 ミックスゾーンに現れた勝利の立役者、琉球ゴールデンキングス荒川颯は多くの記者に囲まれる中、笑顔で試合を振り返った。

 5月25日、横浜アリーナで行われた「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024−25」GAME2。前日に行われたGAME1を68-81で落とし、宇都宮ブレックスに王手を掛けられていた琉球は、あとのない状態でGAME2に挑んだ。

 その試合、序盤は宇都宮に先行されたものの、平良彰吾の3ポイントシュートもあった琉球は第1クォーターを終えて1点リードする。しかし、第2クォーターに入ると宇都宮にジリジリと離されて追う展開に。それでも、第2クォーターの終了間際に荒川が3ポイントシュートを沈めて悪い空気を断ち切ると、8点ビハインドで迎えた第3クォーターから反撃開始。ヴィック・ロー松脇圭志脇真大ジャック・クーリーらでインサイドとアウトサイドがバランスよく得点を挙げると、第3クォーター残り4分44秒にはアレックス・カークのリング下のシュートで53-55と2点差に詰め寄った。

 その後は一進一退の中、宇都宮が1点リードで第4クォーターへ。すると第4クォーター、開始から3分のところで荒川が3ポイントシュートを沈めると、そこから1分半後に再び荒川が値千金の3ポイントシュートを決めて琉球に勢いをもたらす。これに脇、ローらが続くと、残り1分から荒川がダメ押しとなる速攻を2本連続で沈めて勝負あり。87-75でファイナルの勝敗を1勝1敗のタイに戻した。

「颯がビッグショットを決めてくれた」と、琉球の桶谷大ヘッドコーチが言うように、勝負所でのシュートが光った荒川は、17分19秒の出場で13得点を奪取した。

「昨日(GAME1)は自分のリズムで打てなかったことが反省点にありました」と、GAME1では7分弱の出場で無得点に終わった荒川。その反省を生かし、GAME2では自分のタイミングでシュートが放てたと、60パーセントの確率で3ポイントシュートを沈めることに成功した。

「前半はかなりフラストレーションが溜まったのですが、我慢しながら1ケタ差で終わることができました。その中で颯がXファクターになってくれて試合を作ってくれたので、選手を信じてよかったと思います」と、試合後の記者会見の場でこのように語った桶谷ヘッドコーチは、選手それぞれがコートに入ったら自身が何をするかを考えることができていて、『共通理解』を持っているから誰が出てもその選手が自信を持ってプレーしていると言う。その中でGAME2の荒川の3ポイントシュートについては「『打つなよ』とは(チームの)誰も思っていない。レギュラーシーズンでもやってきたよね、決めてきたよねというプレーだった」と評した。

 また、オフェンスだけだけでなく、荒川はGAME2では相手のポイントゲッターであるD.J・ニュービルのディフェンス役を松脇らとともに担った。

「もちろん、得点されてしまうことは必ずあるのですが、そういった中で常にプレッシャーを掛け続けて、自分が止めるんだという気持ちは忘れずにつきました」と、本人が言うようにディフェンスでの奮闘も大きかった。

「僕自身、キングスでは2年目ですが、こういった(ファイナルの)舞台に立つ経験を天皇杯や去年の(Bリーグの)ファイナルでしてきたので、自分を信じてやるべきことをやろうと思っていました」

 アグレッシブなプレーでけん引した182センチのガードは、27日に控えるGAME3に向けても「去年も同じところ(ファイナル第3戦)まで来れていたので、去年足りなかったあと1勝をにしっかりつかめるようにしていきたいです」と、意気込んだ。

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