
2025.06.30
6月14日から15日にかけて開催された「88 Special Camp×福大大濠トロージャンズ」。1988年生まれの篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)、橋本竜馬(ベルテックス静岡)、湊谷安玲久司朱(元横浜ビー・コルセアーズ他)が立ち上げた88 Basketball主催のもと、バスケ合宿が福岡大学附属大濠高校で行われた。
全国から100名近くの応募があり選抜された28名の中学生を前に、篠山と橋本が最も重視したのは技術指導以上に“トップを目指す道の本質”を伝えること。「まだまだできるのか、このレベルで満足するのか。そこを僕たちが測るというよりは、参加者の彼ら自身で考えてもらうという点が大事。この先にずっと必要になる技術や考え方を感じさせることが目的の1つでした」と、母校である大濠高校の体育館で、橋本は届けたい想いを教えてくれた。
篠山・橋本をはじめ総勢9名のコーチに加え福大大濠トロージャンズがサポート
合宿初日は、森高大氏(ベルテックス静岡・ヘッドコーチ)を中心とした練習メニューが組まれ、上のカテゴリーでも通用するディフェンス手法や、次の動作を考慮したパスの受け方など、プロレベルの技術論が惜しみなく伝えられた。印象的だったのは、篠山と橋本が決して”教える側”として一方的に指導するのではなく、生徒と一緒になって参加していたことだ。
準備運動のアップ走では本気で全力疾走し、ドリルでは率先してお手本を見せる。その傍ら、改善すべき点を見つけると生徒たちへ積極的に声をかけ、スキルを一段上へと引き上げる。単なる技術指導ではなく、なぜそのプレーが必要なのかという本質的な部分まで伝えようとする姿勢は、最前線でプレーする選手だからこそ語れる説得力がある。
休憩時間には福大大濠生も篠山たちに積極的に質問しにいく姿もあった
2日目の朝、Bリーグでも実践されているプレーの動画分析をし、それを元に午前中の練習が始まった。「前日の練習を映像で振り返って、同じメニューをもう一度やってみる。こうした積み重ねで確実に上達していくということを、僕自身も改めて実感しましたし、生徒たちのプレーの質も明らかに向上していました」と橋本は手応えを語る。
ビデオコーディネーターが用意した前日の練習動画でフィードバックをする森高大
午後からは橋本率いるTEAM BLACKと篠山率いるTEAM WHITEに分かれ、40分間のフルゲームが行われた。篠山・橋本の両名がヘッドコーチを務めたこの試合の指導方針は、彼らのプレースタイルを如実に映し出していた。
ブラックではコーチ陣が戦略ボードを用いた具体的な戦術指導を展開し、相手の動きへの対応策を丁寧に説明。特に橋本は選手の一人ひとりとしっかり目線を合わせながら、試合に対する意識を高めていた。試合中も選手の好プレーに体を張って喜び、声を上げて鼓舞する様子は、チームメイトやファンなど「人との繋がりを大事にしている」という、橋本らしいコミュニケーション重視の指導方針だ。
合宿が実現したのも、橋本と幼馴染の福大大濠・片峯聡太コーチとの関係あってこそ
一方、ホワイトでまず行われるのは、選手同士での話し合い。どこを改善すべきかを選手たち自身で考えてから、コーチ陣がやるべきことを明確にする。目の前の問題としっかり向き合い、言葉と行動で自身とチーム全体に勢いを与える篠山の普段の姿が、そのまま指導方針に表れていた。
篠山と共にホワイトの指導に入っていた森は「練習の時もそうですし、試合の時も極力選手からの発信を大事にするっていう姿勢のヘッドコーチを竜青さんはしていて。それに反応して喋り出せる選手というのが何人も出てきた」と良い化学反応があったことを語ると共に「竜青さん、竜馬さん、彼らの口から伝えられることでしか響かないことがあり、とてもいい機会になった」と振り返った。
2日間を通して選手たちのコミュニケーション力の向上を篠山自身、感じたという
合宿最後に、大濠高校生との対戦に挑めるメンバー選抜が行われた。片峯によって「試合でリスクにしっかりチャレンジしてた選手」が28名中、15名選ばれコーチ陣がプレー指導に入る。
選ばれなかった選手たちに向け橋本は「バスケでトップを目指したい、これ以上うまくなりたいと思ったら、こういう事態は避けて通れない」と真摯に語り、「これは選ばれた側には体験できない、あなたたちが体験して超えていくもの」だと喝を入れた。また篠山も「全部、自分次第だ」と自身の経験を重ねて言葉を紡ぎ、「どう自分の力に変えて自分の人生に活かしていくか、ということの連続」によって、目指す先を切り拓くのだと道筋を示した。
上を目指していく中で避けられない“選ばれる”ことを、どう考えるか伝える2人
合宿すべてのプログラムを終え、篠山は「88 Basketballで活動していくことによって、子供たちに還元していくことに加えて、自分自身の成長に繋げられている。素晴らしい活動に参加できて本当に嬉しい」と、一大プロジェクトをやり切った達成感を滲ませる。橋本は、感極まって涙しそうだと明かしながらも「次も必ずやります」と力強く頷き、今後もバスケに向き合う子供たちの道しるべとなる意欲を見せた。
文・写真=AKUYAN
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